この記事の結論
- 「静かになった気がする」という体感だけだと、対策の効果を自分でも他人にも説明しづらい
- 無料のスマホアプリでも、同じ条件で測って対策前後を比較すれば、目安として十分役に立つ
- 数値化しておくと、グッズの見直し判断や、クレーム対応時の説明材料としても活用できる
遮音等級の考え方の記事では、防音グッズのカタログに出てくる指標の読み方を紹介しました。
ただ、カタログ上の数値と、実際に自分の部屋でどれだけ静かになったかは、必ずしも一致しません。
この記事では、防音対策の効果を「体感」で終わらせず、デシベル計やスマホアプリで簡易的に数値化する方法を整理します。
1. なぜ体感だけで終わらせない方がいいのか
防音マットを敷いたり、防音カーテンを取り付けたりしたあと、「前より静かになった気がする」という体感は、対策のモチベーションとして大切です。
一方で、体感だけに頼っていると、慣れによって「気にならなくなっただけ」なのか「実際に音が小さくなった」のかを区別しにくいという弱点があります。
また、下階や隣室からクレームを受けた経験がある場合、「対策済みです」と伝えるだけより、対策前後の数値を示せたほうが、管理会社や相手に状況が伝わりやすくなります。
数値化は、対策の成果を自分で確認するためだけでなく、周囲とのコミュニケーションを助ける材料にもなります。

2. 音の大きさの目安を知っておく
数値を測る前に、そもそもどのくらいの音量が「うるさい」とされているのか、目安を押さえておきましょう。
環境省が定める「騒音に係る環境基準」では、一般的な住居専用地域の場合、昼間(午前6時〜午後10時)は55デシベル以下、夜間(午後10時〜翌午前6時)は45デシベル以下が目安とされています。
日常生活の中の音を、この目安と比べやすいように一覧にしてみます。
| 音の目安 | 日常生活での例 |
|---|---|
| 40dB前後 | 静かな住宅地の夜間、図書館の館内 |
| 50〜55dB前後 | 静かな事務所、日中の住居専用地域の環境基準の目安 |
| 60dB前後 | 普通の会話、静かな乗用車の車内 |
| 70dB前後 | 掃除機の動作音、やや騒がしい事務所 |
| 80dB以上 | 地下鉄の車内、犬の鳴き声(近距離) |
3. スマホアプリで手軽に測る方法
専用の測定機器を用意しなくても、スマートフォンの内蔵マイクを使った無料の騒音計アプリで、大まかな数値を確認できます。
無料アプリでできること・できないこと
スマホの内蔵マイクは、そもそも通話や録音のために最適化されたものであり、専門の測定機器のように校正されているわけではありません。
そのため、表示される数値を「絶対的に正確な値」として扱うことはできません。
一方で、同じ機種・同じアプリで、同じ場所・同じ時間帯に測る分には、対策前後の「相対的な変化」を確認する目的には十分使えます。
App StoreやGoogle Playで「デシベル」「騒音計」などのキーワードで検索すると、無料で使えるアプリが複数見つかります。
たとえば「Decibel X」のように、リアルタイムで音量を表示する機能を無料の範囲で使えるアプリもあり、まず1つ試してみるところから始めると導入しやすくなります。
実際の使い方(対策前後で同じ条件で測る)
測定するときは、次の条件をできるだけそろえることが大切です。
- 測定する場所(部屋のどの位置か、床からの高さ)を毎回そろえる
- 測定する時間帯をそろえる(生活音は時間帯によって変動しやすいため)
- 音源からの距離、動作(足音を出す・楽器を弾くなど)の強さもできるだけそろえる
- 対策前・対策後それぞれで複数回測り、平均的な値を見る
この条件をそろえずに1回だけ測っても、たまたまその瞬間の数値でしかなく、参考にしづらくなってしまいます。

4. 本格的に測るなら簡易デシベル計という選択肢
スマホアプリよりもう少し安定した数値を求める場合は、家庭用の簡易デシベル計(サウンドレベルメーター)を使う方法もあります。
選ぶときのポイント
家庭向けの簡易デシベル計を選ぶ際は、次の点を確認しておくと選びやすくなります。
- 測定範囲(何dBから何dBまで測れるか、生活音の範囲をカバーしているか)
- 数値の表示のしやすさ(デジタル表示か、更新頻度は十分か)
- 最大値保持(MAX HOLD)機能があるか(瞬間的な大きな音を記録できると便利)

参考までに、30〜130dBの範囲を測れ、最大値/最小値の保持機能を備えた家庭用デジタル騒音計の代表的な商品例を紹介します。
価格や在庫状況は変動するため、購入時に最新の情報をご確認ください。
家庭用の簡易デシベル計も、法的な測定・鑑定に使われるような精密機器ではありません。
あくまで自分の生活の中で対策効果を把握するための道具として位置づけ、深刻なトラブルの場合は管理会社や専門家への相談を優先してください。
5. 測定結果の活用方法
数値化した結果は、いくつかの場面で活用できます。
まず、対策前後の数値を比べることで、「なんとなく静かになった」を「実際にこれだけ変化した」という具体的な安心材料に変えられます。
次に、防音マットや防音カーテンなど、どのグッズが効果を発揮しているかを見極める判断材料にもなります。
思ったほど数値が下がらなかった場合は、グッズの厚みや設置範囲を見直すきっかけにもなります。
数値そのものに一喜一憂しすぎず、あくまで「今の対策が正しい方向に向かっているか」を確認する道具として、気軽に活用してみてください。
今日のアクション
- 無料の騒音計アプリを1つスマホにインストールしてみる
- 今の部屋の音を、同じ場所・同じ時間帯という条件をそろえて測ってみる
- 防音グッズを追加・変更したら、同じ条件でもう一度測って数値を比べてみる
関連記事
- 元の記事:➔ 防音対策、実際どれくらい効果があるのか。遮音等級の考え方
- あわせて読みたい:➔ 防音マット・防振ゴムを比較する。足音・振動対策の選び方
- あわせて読みたい:➔ 防音対策、いくらから始められるか。予算別の始め方3パターン



コメント