この記事の結論
- 木造は空気音(話し声・楽器)、鉄骨造は振動音(足音・家電)、RC造は開口部(窓・玄関ドア)からの音漏れが、それぞれの構造で一番の弱点になりやすい
- 自分の部屋の構造がわかれば、数ある防音グッズの中から優先して試すべきものが絞り込める
- これから物件を探すなら、構造欄だけでなく角部屋・最上階・窓の位置もあわせてチェックすると失敗が減る
賃貸物件を選ぶとき、間取りや家賃は比較しても「建物の構造」まで意識する人は多くありません。
ですが、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)のどれかによって、同じ防音グッズを使っても効き方が大きく変わります。
1. 構造によって音の伝わり方はこんなに違う
「隣の話し声が丸聞こえ」「上の階の足音がドンドン響く」「意外と静かで拍子抜けした」——同じ賃貸マンションでも、住んでみるまで印象が大きく違うのはこのためです。
不動産情報サイトの間取り図だけでは分からない部分なので、事前に構造ごとの特徴を知っておくと、内見時のチェックポイントも変わってきます。

建物の構造は大きく分けて「木造」「鉄骨造(S造)」「RC造(鉄筋コンクリート造)」の3種類があります。
それぞれ壁や床の素材・厚みが異なるため、同じ生活音でも聞こえ方がまったく違います。
| 構造 | 遮音性能の傾向 | 伝わりやすい音 |
|---|---|---|
| 木造 | 3構造の中で最も低い | 話し声・楽器・テレビの音(空気音) |
| 鉄骨造(S造) | 木造よりは高いが振動に弱い | 足音・物を落とす音(固体音) |
| RC造 | 3構造の中で最も高い | 窓・玄関ドアなど開口部からの音漏れ |
物件情報の「構造」欄に「木造」「S造」「RC造」「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)」のいずれかが記載されているので、まずはそこを確認してみてください。
SRC造はRC造とほぼ同等かそれ以上の遮音性能を持つと考えて問題ありません。
2. 木造:空気音対策を最優先に
木造アパートは壁が薄く、隣室との間に空洞(空気層)があるだけということも珍しくありません。
そのため、話し声・テレビの音・楽器の音といった「空気音」がそのまま伝わりやすい構造です。
目安として、木造の界壁(隣室との間の壁)の遮音等級はD-30〜D-35程度にとどまることが多いとされ、RC造の目安であるD-50前後と比べるとかなり開きがあります。
数値だけで判断するのは難しいものの、「木造は他の構造よりワンランク上の対策が必要」と考えておくと現実に近い感覚になります。

木造の場合は、壁に厚みを持たせる対策(防音マット・吸音パネル・防音カーテン)を優先してください。
床の防振対策だけでは、隣室からの話し声やテレビの音は防ぎきれません。
参考までに、代表的な商品例を紹介します。
価格や在庫状況は変動するため、購入時に最新の情報をご確認ください。
3. 鉄骨造:足音・振動対策を最優先に
鉄骨造は壁自体の遮音性は木造よりまともですが、骨組みが金属でできているため振動が建物全体に伝わりやすいという弱点があります。
上下階の足音や物を落とした音が、思ったより遠くの部屋まで響くことがあります。
床衝撃音の目安であるL値で見ると、鉄骨造は床の作りによる差が大きいものの、RC造(LL-45前後が目安)と比べると軽量・重量どちらの衝撃音もやや響きやすい(L値が大きくなりやすい)傾向があります。
防音マット・防振ゴムで床側の対策を先に固めておくと、体感の変化が大きく出やすい構造です。

鉄骨造で特に注意したいのは、洗濯機や乾燥機など振動を伴う家電の設置場所です。
防振ゴムやジョイントマットを敷かずに直置きすると、階下だけでなく横の部屋にまで振動音が伝わることがあります。
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4. RC造:油断しがちな開口部からの音漏れ
RC造は壁・床ともにコンクリートで作られているため、木造や鉄骨造と比べて基本的な遮音性能は高い構造です。
「RC造だから防音は安心」と思われがちですが、実際には窓・玄関ドア・換気口といった開口部から音が漏れているケースが多く見られます。
コンクリートの壁自体はD-50前後の高い遮音性能を持っていても、窓のサッシにわずかな隙間があるだけで、そこから音が抜けて体感の遮音性能が大きく下がることがあります。
「壁は分厚いのに、なぜか音が気になる」という場合は、まず開口部を疑ってみるのが近道です。

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5. 賃貸物件で構造を確認する方法
入居済みの物件で構造がわからない場合は、以下の方法で確認できます。

1つ目は、契約時に受け取った重要事項説明書を確認する方法です。
物件の構造欄に必ず記載されています。
2つ目は、壁を軽くノックしてみる方法です。
コンクリートは硬く低い音、木造は軽く高い音がする傾向があります。ただし内装材の影響を受けるため、あくまで目安程度に考えてください。
6. これから物件を探すなら、内見時にここを見る
これから引っ越し先を探すのであれば、契約前の内見の段階で構造以外にもチェックできるポイントがいくつかあります。
特に音の悩みを避けたい人は、次の3点を意識してみてください。
角部屋・最上階かどうか
同じ構造でも、両隣に部屋がある中間階の部屋と、角部屋や最上階の部屋では接する壁の数がまったく違います。
角部屋は接する住戸が1つ少なく、最上階は上の階からの足音がそもそも存在しないため、それだけで体感の静かさが変わります。
窓の位置と方角
道路や駅前・繁華街に面した窓がある部屋は、構造がRC造であっても外の音が入りやすい傾向があります。
可能であれば内見時に一度、窓を閉めた状態としばらく開けた状態の両方で周囲の音を確認しておくと安心です。
築年数と断熱・防音仕様
近年の物件は、同じ構造でも遮音等級を意識した壁材・二重窓が使われていることがあります。
不動産会社に「防音・遮音に配慮した仕様か」を直接尋ねてみるのも、遠慮しすぎる必要はない確認事項の一つです。
建物の構造は入居後に変えられませんが、構造ごとの弱点を知っているだけで、防音グッズの選び方は大きく変わります。
まずは自分の部屋の構造を確認し、優先すべき対策から取り組んでみてください。
今日のアクション
- 重要事項説明書や物件情報で、自分の部屋の構造(木造・鉄骨造・RC造)を確認する
- 構造ごとの弱点(木造は空気音、鉄骨造は振動、RC造は開口部)に合わせて、優先する対策を1つ選ぶ
- これから物件を探す場合は、構造だけでなく角部屋・最上階・窓の位置も内見時にチェックする
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